先日、父の還暦のパーティーがありました。
パーティーなんていうと
こうアメリカンな感じがするのですが
父は陸上部の監督をしていたので
その生徒さんたちが主催してくださるパーティーでした。

昭和53年から、28年間同じ学校で監督を勤めていたこともあり
それはそれはすごい人数。
大大大同窓会のような感じです（笑）

私の記憶の中にはあまり覚えのない人たちも多く、
「makiちゃん俺のこと覚えてる？オムツ替えてあげたのになあ・・・」とか
「こんなちっちゃかったのに、こんなおっきくなって・・・」とか。
私の知らない記憶を思い出して懐かしむ父の教え子さんたちが
いっぱい話しかけてくださいました。

殴られて、蹴られて、父を憎んでいた人もいたでしょう。
でもみなさん父に出会えたことに感謝し、ありがとうと涙してくれていました。

父ははじめから泣きっぱなし。
「練習がきつくて泣いてたお前らに’目から汗を流す前に身体からもっと出せ’と
言ってたくせに、今日私が汗を出してるけど、今日だけ許してくれ・・・
私は、こんないい生徒に恵まれて、ほんとにほんとに最高の教職員生活を味わえた。
本当に本当にありがとう。本当に本当に感謝しています」
と、泣きながら話していました。

この28年間の教え子たちとの思い出は
父にしか味わえない、人生最高のプレゼントだったことでしょう。

父の人生は生まれた時から試練の連続でした。
混血児であったこと。
ハンパないいじめ。
生きることすら否定されてきた父が
必死でつかんだ陸上という道。
そして教職員になり監督として指導してきた28年間。
定年を迎え、こうしてみんなにお祝いしていただいたことは
父の人生をやっと自分自身であたたかく受け入れることができた日になったと思います。

絡んだ糸がやっとほどけていくような
家族みんなあたたかい気持ちになりました。

100人いれば100通りの人生があるといいます。
でも私は父の人生の中で娘として生まれたことが誇りに思えてしかたありません。
母もそんな父を一生懸命支え、家族みんなで一生懸命歩んできました。

この家族でよかった
　　　　　　私は本当に幸せです